空き家対策 2016 3 13

書名 家なんて200%買ってはいけない!
    「空き家率は将来、40%になる」
    「今後は誰もがタダで家を手に入れられる」
著者 上念 司  きこ書房

 この本の題名を見て、「本当か」と思いました。
しかし、読み進んでいくうちに、
「確かに、そうだ」と思うようになりました。
 私は、少子化について、10年も前から警鐘を鳴らしました。
どんなに経営改革をしても、
少子化のスピードが経営改革のスピードを上回れば、
その経営改革は無意味なものになると。
 しかしながら、不動産市場に対する少子化の影響は、
それほど深く考えていませんでした。
 改めて出生率1.43という数字を考えてみると、
やがて、不動産市場で劇的なことが起こるかもしれません。
これを「不動産市場の相転移」と言うのかもしれません。
 出生率1.43が意味するものは、
「子供が二人」という家庭が多いと思っていましたが、
「一人っ子」の家庭も意外に多いのかもしれません。
 そうすると、将来、どうなるか。
極端な事例かもしれませんが、あり得る事例として、
夫が「一人っ子」で妻も「一人っ子」という場合を想定すると、
やがて、双方で相続が発生した時に、
家を2軒も相続することになります。
 この場合、すでに自分たちの住む家はあるとなると、
この2軒を処分することになるでしょう。
 はたして売却できるのか。
建物を解体して、更地にしても、難しいかもしれません。
 銀行員の話では、東京近郊ですら、
駅から徒歩10分を超えると価値が下がると聞いたことがあります。
 著者の体験では、どんなに立派な家でも、
すべて「駅から何分」という尺度で計られてしまい、
実に悔しい思いをしたというのです。
 今のところ、東京近郊では、
それほど空き家を見かけませんが、
ある時期を超えると、急激に空き家が増えるかもしれません。
これは、「不動産市場の相転移」と言うのかもしれません。
 もう一つ、著者の視点として、
インターネット時代が土地神話を終わらせたという。
 確かに、コンピューターとインターネットの発達により、
オフィスは、小さなものとなりました。
 昔は、どの会社でも、庶務課という大きな組織がありました。
社員が出張するにも、時刻表にある料金表を見ながら、
電卓で旅費を計算していました。
 今は、インターネットにつながったコンピューターが計算しますので、
コンピューターが事務員となり、オフィスはコンパクトなものとなったと言えるでしょう。
 さて、私は、著者とは違うことを考えています。
日本の住宅は、基本的に「作っては壊す」ということの連続です。
欧米のように中古市場が発達してなく、新築市場が主流です。
 日本も、「100年住宅」や「200年住宅」を作って、
多くの人が移り住むという住宅にしたいものです。
これならば、中古になっても価値が下がらない住宅になるでしょう。
そして、中古市場も魅力的なものになります。
 本来、住宅というものは頑丈で強固なものであるはずです。
しかし、日本の住宅は、「作っては壊す」ということの連続で、
新築市場が主流になっています。






























































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